しじみに含まれるグリコーゲン
グリコーゲンという言葉をよく耳にしませんか? 食物から摂取したぶどう糖は肝臓でグリコーゲンという物質に変換され貯蔵されます。
グリコーゲンは人のエネルギー源として働きます。
グリコーゲンとは?
グリコーゲンは1856年にフランスの生理学者により発見され命名されました。グリコーゲンは糖原、あるいは動物デンプンとも呼ばれ、単糖類のグルコースが多く結びついた多糖類のことで、炭水化物に分類されます。
三大栄養素のひとつである炭水化物は、エネルギー源として使用される大切な栄養素で、主食であるお米やパン、麺類、芋類などがその代表です。
肝臓で貯蔵
食事から摂取した糖は小腸で吸収されたのち肝臓へと送られ、グリコーゲンに変換され一部はそのまま貯蔵されます。グリコーゲンはさらに分解されたのちに筋肉などに運ばれ、人が活動するエネルギー源となります。
肝臓や筋肉で余った糖は中性脂肪となり、脂肪細胞に蓄えられます。
肝臓、筋肉で貯蔵されるグリコーゲンの量
成人の場合、グリコーゲンは肝臓の重さの8%まで貯蔵することができます。筋肉でもグリコーゲンを蓄えることができますが、筋肉の重さの1〜2%程度となります。
肝臓に比べ、筋肉で貯蔵されるグリコーゲンの割合は少ないとはいえ、 体全体のうち、筋肉が占める割合である筋肉率の平均が20代男性で44%、同女性で39%に登ります。
従ってそれ相応のグリコーゲンを筋肉でも貯蔵することが可能となります。
体重により変化がありますが、平均的な体格の成人で、肝臓のグリコーゲン量は約100〜120g、筋肉では約300〜350g程度になります。
グリコーゲンの働き
血糖値の調整
血液中の糖が減るとグリコーゲンが分解され血中に送られ、血糖値を調節します。血糖値を調節するのは肝臓内のグリコーゲンで、筋肉に蓄えられているグリコーゲンは筋肉を動かすために使われます。
記憶、集中力の向上
ぶどう糖は脳のエネルギー源となり記憶力や集中力、頭の回転、作業能率を高め、脳を活性化させます。疲労回復
糖質不足になると疲れやすくなり、体だけでなく、精神的にも疲労感が増していきます。グリコーゲンは疲労回復に効果があるとされています。
しじみとグリコーゲン
しじみは100gあたり4.3gと貝類の中では比較的多くの炭水化物を含みます。炭水化物はグリコーゲンの元となります。
グリコーゲンは体内に蓄積される物質で、しじみをはじめ牡蛎、海老、うに、貝類、レバーに多く含まれます。
グリコーゲンは即、エネルギー源となり、体力、スタミナの差はグリコーゲンの量により違ってきます。
炭水化物の摂り過ぎは肥満の原因となります。
とはいえ、炭水化物を全く摂らないのも健康上、さまざまな問題があります。
しじみは貝類の中では炭水化物を多く含みますが、カロリーは低めでダイエット向きの食材でもあります。
しじみは肝機能を強化するオルニチンを含んでいます。
グリコーゲンを貯蔵する肝臓を健康に保ち、その機能を向上させる意味で、しじみの摂取は効果的です。
しじみの味噌汁をはじめ、佃煮や煮物、パスタなどにも利用できます。
日々の食事にしじみを上手に取り入れるよう工夫してみませんか?
参考: しじみに含まれるグリコーゲン